1月下旬に入り東北は寒さが増してきております。
さくら並木ネットワークが植樹している地域には、今なお仮設住宅暮らしを余儀なくされている被災者さんが多くいらっしゃいます。
仮設住宅暮らしの冬は過酷なものです。
東日本大震災の風化が叫ばれている昨今ですが、
まだ不自由な暮らしを強いられている方が多くいるということは
決して忘れてはいけないことだと思います。
にっこりサンパーク
仮設住宅の一つににっこりサンパーク仮設住宅があります。
にっこりサンパークは石巻市北上町十三浜にある地域住民の健康とスポーツの振興を目的に設置された施設ですが、2011年3月11日の大津波により北上町が壊滅的な被害を受けたため、北上町の住民159世帯が住む仮設住宅が建てられ今に至っています。
現在そのにっこりサンパーク仮設住宅の奥の小山を削り集団移転先の造成工事中です。
2016年春には、集団移転を希望する29世帯の団地と58世帯が入る災害公営住宅が生まれる予定となっております。
この集団移転地の奥にある谷に桜を植樹しようという計画が今年になって持ち上がり、ご縁がありさくら並木ネットワークが今年の春に植樹することになりました。依頼は「にっこり北地区住民有志の会」というこの集団移転地に住む予定の40~60代の住民さん達の会を通じて。
この会は「高齢者も安心して共生する『見守り』のまち」を目指しております。
この桜の谷の前にはその高齢者が多く住むエリアがあり、お年寄り達が寂しくならないよう桜を見下ろせる場所を作り、さらに若い住民さん達がその周囲に住み見守るという町作りがされます。
この計画を実現するために1月20、21日、そして本日、この谷一面にあった伐採した樹木の後片付けを有志の会、この植樹を監修していただく造園業者菊池さん、そして西本願寺ボランティアセンターの三名のボランティアさんとともに行いました。
作業は足場が急なところもあり難航しました。
でも皆さんこの植樹計画を絶対に実現しようと力を合わせて頑張り、無事本日70本の桜を植樹するスペースを開拓することができました。
作業終了後は、仮設住宅のお母さんたちの愛情ある手作りご飯をいだだきました。
まだ植樹は先ですが…。
素晴らしい懇親会ともなりました。
片付けは大変でしたが、「有志の会」の皆様の高齢者への優しさが詰まった町づくり計画に私たちが関われるのはとても光栄なことです。
まだまだ厳しい仮設住宅暮らしが続く住民さんがほとんどですが、谷の桜が大きくなるころには町づくりも落ち着いている頃でしょう。
そのときにっこり北地区はたくさんの優しさの詰まった町になっていると信じています。
そして将来桜が満開のとき…。
本日の片付けや植樹の昔話をしに皆さんに会いに行きたいと思います。