宮城県気仙沼市の開花報告に引き続き本日は岩手県下閉伊郡山田町の開花のご報告です。

昨日は当会の初めての植樹地、気仙沼市本吉町天ヶ沢地区の桜のご紹介をさせていただきましたが、2017年の桜の開花確認はここ山田町から始まり岩手県から南下しながら行いました。順番にご紹介したいと思います。

岩手県下閉伊郡山田町の桜の植樹

さくら並木ネットワークが植樹をはじめて2年目の春、2013年4月6日。それまでで最多の約330本の桜を植樹した岩手県下閉伊郡山田町で植樹式と桜の植樹が行われました。さくら並木ネットワークとしては1000本目の桜の植樹がここ山田町になりました。

山田町三陸海岸の沿岸部には、約500本の桜が美しく咲き、地域の皆さん・遠方から訪れる方々が毎年お花見を楽しんでいらしたそうです。その桜は全て津波に流されてしまいました。

植樹予定地はこの土地で花苗の販売等を行っている「グリーンハートやまだ」藤原さんの小高い山と、津波により保育園・障がい者施設・高齢者施設4つの施設を失ってしまった親和会さんが新しく施設の建設を予定している土地にある小高い山。

「多くの方々が訪れる日本一の桜山に、山田町復興の第一号に」

そんな地域の皆さんの想いを受け、すぐ下まで津波が到達したこの山を、津波避難の目安となる美しい桜山にするお手伝いをさせていただく事になりました。右に山田湾、左に船越湾が広がる美しいこの山の入り口で大津波は左右から押し寄せ行ったり来たりを繰り返し全てを持っていってしまいました。この地で犠牲になってしまった方々は824名。824本を目標に植樹がスタートしました。

初年度の植樹の際は津波が到達した場所はそのまま。復興工事はまだ着手できない状況でした。(初年度の植樹報告記事

この桜は、鎮魂や慰霊のためではなく、犠牲になってしまった方々と共に楽しむ桜にしたいと思っています。
その翌年、「グリーンハートやまだ」の藤原さん親子の夢が、山田町・BG浦の浜会・山田町観光協会・山田町特産品販売協同組合・山田町商工会・新生やまだ商店街協同組合の協力により、町ぐるみで一体となって取り組む大きなプロジェクトになりました。

第1回 2013年4月6日
第2回 2014年4月20日
第3回 2015年4月19日
第4回 2016年4月16日・17日 
第5回 4月15日

上の写真の一番奥の山肌が見える部分は、今では遊歩道も作られ、桜と水仙が美しい場所になりました。

そして今年4月15日の植樹で目標本数に達しました。

2017年 今年の山田町の桜の様子

2017年4月15日。まだソメイヨシノが1、2輪やっと咲きだした状態で、次の週に見ごろを迎えるタイミングでしたが、多くの桜は開花を待つ蕾をたくさんつけていました。桜は植える場所や品種により開花時期が異なります。何本かの桜はすでに開花を始めていました!

左は2013年4月6日の桜、右が今年で4年目の桜です。ずいぶん大きくなりました。早々にかわいい花を咲かせていました。

海は穏やかで、復興工事が進んでいます。

山田町には、全国各地・海外からご支援くださった皆様の多くの品種の桜が植樹してあります。様々な品種の桜が見られるのも山田町の桜の丘の特徴です。

桜の他には水仙プロジェクトさんが支援された、全国各地の皆さんの水仙がどんどん増えて圧巻の景色。足元には紫の小さなカタクリの花、チューリップやアジサイ・ドウダンツツジなどの花々が咲き、秋は紅葉が素敵です。

山田町の皆さんは、多くの方々が桜や花たちにそして山田町の方々に会いに来てくれる事を楽しみにしていらっしゃいます。桜の成長を楽しみながら、年に一度でも訪れてみてはいかがでしょうか。きっと、美しい景色と空気・海、優しい山田町の皆さんと共に心が安らぐ時間になるかと思います。

山田町の桜の丘は広大な桜山になる予定です。もし、ご自分の桜が山田町に植樹されていて桜に会いに行かれる場合は、当会からお送りしている「植樹報告書」をご持参ください(写真と地図データだけスマートフォンで撮影されて行くのも良いかも)。地図データと苗木の写真の背景の風景を頼りに見つけられる事が多いのです。もし、藤原さんがいらっしゃってタイミングが良ければ報告書の写真の景色を頼りに一緒に桜を探してくれるかもしれません。よろしかったらハウスにお声がけください。