2017年春の植樹が無事に終了しました。今年は植樹後、何か所かの桜の開花状況を確認しましたので、地区ごとにご報告いたします。

宮城県気仙沼市本吉町天ヶ沢・前浜地区

宮城県気仙沼市本吉町天ヶ沢地区地区は、海側と山側から大津波が襲い、9名の犠牲者と甚大なる被害受けました。

海の民であるが故に今回の様なことがあっても海から離れては生きられない。
海と共に生きる者として今回の津波で残したいものは何か。
丘に住み、海に生かされている。
自然への人間のおごりが被害を大きくした。
海にあらがうのでなく、共に生き生かされているという摂理を残したい。

地域の方々の想いを受け当会が立ち上がった震災のあった年2011年9月から数々のミーティングを行い、2012年3月10日、この地区に75本の一年生の桜の苗木を、翌日3月11日には全国花き振興協議会様のご支援で桜の成木9本を植樹しました。

造園業・植木職人の勝倉氏を中心に、地元の住民の皆様・ボランティアの方々・当会スタッフ・総勢60名ほどで、この地域の植樹希望があったお宅(私有地)に手分けして植えました。

2017年の気仙沼市本吉町天ヶ沢地区のさくら

2012年の植樹にもボランティア参加された桜の支援者でもあるYさんは、彼女の桜が植樹されているKさんと交流を続けられていて、一緒にその桜に会いに行きました。

2017年4月16日夕方。この時の気仙沼の桜たちのほとんどはツボミが多く2~3分咲きの状況でした。

しかし、Yさんが支援した桜2本は満開!そして、驚くほどに成長していました。

Kさんのお話だと、前日までほとんどつぼみでYさんが来る頃に開花は間に合わないのではないかと心配されていたのに、到着したその日に一気に満開になったとの事!
「まるで、Yさんの到着を待っていたみたい」とご夫婦も驚かれていました。

左が、植樹した時の一年生の小さな桜を囲んだ皆さん。右が植樹から5年目の桜です。早速桜の前で記念撮影。

Kさんは「この桜に何度助けられたかわからない。本当にありがとう。」と何度も伝えてくださいました。こちらこそありがとうございました。

大切にKさんご夫婦に育てられた桜。美しい星の輝く気仙沼の夜。桜はライトアップされとても素敵でした!

気仙沼の9本のさくら並木

桜は植える場所や苗木の大きさ、品種により成長度合いが違います。さくら並木ネットワークの桜基金は基本的に1年生の小さな苗木を植樹しています。生まれて一年目の苗木は、その土地になじみやすく20年位のスパンで考えると3年目の苗木よりも大きく成長する事もあるそうです。

大きな苗木は、その木が育った環境から移動して植樹を行うためその土地になじむまで時間がかかる場合があります。

左が植樹時の写真、右が今年の写真です。

9本の桜はたくさんのつぼみを付け、これから咲こうとしているところでしたが、幹が立派に太くなり着実に成長している様子でした。

この桜を見ながら、2012年、まだガレキがそこかしこにあるこの地で、様々な想いを胸に植樹を行ったことを思い起こしました。

植樹時を記録したフォトムービー。「あの日を忘れずに未来に伝承する」ため是非ご覧ください。

さくらのポストカード

賛助会員の皆様、桜基金にご参加いただいている皆様に、開花のご報告のさくらのポストカードをお送りしています。今週中にお手元に届かなかった場合は事務局までご一報いただけましたら幸いです。