このたびの熊本・大分を震源とする地震により亡くなられた方々に、謹んでお悔みを申し上げます。そして被災された多くの皆さまに心よりお見舞い申し上げます。また、被災地等におきまして、地元の方で救助活動に従事されていらっしゃる方、自衛隊・警察・消防・その他の機関の救援や復興支援などの活動に尽力されている方々に深く敬意を表しますとともに、皆さまの安全と一日も早い復旧、復興をお祈り申し上げます。

2016年4月16日(土)・17日(日)。熊本の状況に心を痛めながら、東日本大震災で800名もの方々が犠牲になってしまった岩手県下閉伊郡山田町の桜の植樹が行われました。

岩手県下閉伊郡山田町 結いの桜山

東日本大震災から2年目2013年の春、「多くの方々が訪れる日本一の桜山に、山田町復興の第一号に」という”グリーンハートやまだ”藤原さん親子の桜山への想いを実現するために、山田町ではじめての植樹を行いました。翌年には町ぐるみで一体となって取り組む大きなプロジェクトとなり、主催:山田町・BG浦の浜会 協力:山田町観光協会・山田町特産品販売協同組合・山田町商工会・新生やまだ商店街協同組合の皆様で開催する「船越家族旅行村・さくらまつり」の中での桜の植樹は3回目となります。

【参照】植樹のご報告 2013年4月6日2014年4月20日2015年4月19日

今年は「船越家族旅行村・さくらまつり」前日から心温まる数々のドラマがありました。長文になりますので目次を。

目次

前年までに植樹した桜の成長記録

4月16日(土)。とても良いお天気に恵まれた、船越湾・山田湾からの海風・草木の香りが漂う美しい山田町の早朝。これまでに植樹した桜の様子を見に行きました。

初年度に植樹したシンボルツリーの枝垂れ桜とその周辺に植樹した様々な品種の桜は、健康に育ち美しい花を咲かせていました。

多くの一年生の苗木は、3年目4歳。すくすくと育っています。桜の周りにはスイセンプロジェクトさんで植えられた水仙が何倍にもなり、かなりの広範囲に広がり咲き誇っていました。そして、近くのオランダ島ハウスのアイバブル様がコーディネートし、オランダから届いてこの日に植栽したチューリップもかわいい花を咲かせていました。

4月16日は、釜石市でも植樹が行われましたが、後日ご報告させていただきます。

山田町での植樹準備

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4月16日(土)ボランティアさんとスタッフは朝9:00現地集合。山田町ではまさにこの日、桜が満開。東日本大震災の約1か月後のゴールデンウィーク1週間前の宮城県仙台市や亘理町で泥出し等のボランティア活動をした時も桜が満開だった事を思い出しながら、満開の桜と共に活動開始です。

この山田町の植樹地を開拓し、雑木林の木を伐採し桜を植樹する場所を測量しながら決め、遊歩道を作る作業は大変な作業です。植樹が出来るように整備をしているのは藤原さん親子を中心に地元の方々やボランティアさんです。藤原さんは「皆さんが来た時に歩く道がないと」と、今年この桜山全体で約1.2Kmの遊歩道を整備されていました!まだまだ繋げる予定です。皆さんの桜を探しやすいように、整備と伐採した木々の整理のお手伝いも行いました。

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伐採した木々は薪や木材として利用される他に、粉砕機にかけチップにし遊歩道に敷かれて以前より歩きやすい道がそこかしこに出来ています。軽トラック1杯分のチップで、遊歩道約3m分くらいだそう!そうやって作った1.2Kmの遊歩道。大変な作業です。藤原さんの想いが伝わってくるふかふかの新しい道です。

この方たちへの想いもありました。

山田町で桜を植樹する結婚セレモニー

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この日。とても大切なセレモニーがありました。「結婚記念の植樹」です。

はじめての「結婚記念植樹」を実現されたのは、加藤様ご夫妻。加藤様ご夫妻は「東京で結婚式をするのではなく、東北の被災地のお役に立てるような事をしたい」と考え、いろいろ調べるうちに「津波を未来に伝える桜の植樹」を決められたそうです。奥様は震災後、様々なボランティア活動をされていて当会にご相談にみえました。「親族やご友人の方たちにも、東北の現状を知ってもらいたい」様々な想いをお聞かせいただき、山田町の皆さんのご協力のもと「結婚記念の植樹」が実現しました。

このセレモニーに参加されたのは総勢40名の親族ご友人の方々! 震災直後”3.11を忘れない”と、ロンドンで始まった震災復興支援活動でご支援をくださっている、イギリスの支援団体Sakurafront様のブローチを胸に、セレモニーが始まりました。

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皆さんの想いを込めた10本の桜が植樹されました。

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記念植樹が終了し山を下りると、翌日の桜の植樹会の準備のため前日からボランティアで参加くださっていた日本ビジネスシステムズ株式会社様も作業を終え戻られたところで、皆様も祝福! 素敵な結婚セレモニーになりました。日本ビジネスシステムズ株式会社様は昨年に引き続き、今年も社員の皆様と約30名でボランティアにご参加くださいました。

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桜山の藤原さんは「自分が生きているうちにこの山で結婚式が行われるなんて夢にも思わなかった!」と、とても喜んでいらっしゃいました。
この日に植樹した桜に会いに、皆さんまた必ず来てくれる事を願っているとの事。

素敵な加藤さんご夫妻。末永くお幸せに。またいつの日か山田町の桜の下でお会いできますように。

支援者さんが桜に会いにみえました

そして、桜基金Bでご支援くださっている支援者さんのもう一組のカップルが、愛知県からいらっしゃいました! 昨年も桜に会いに山田町を訪れたけれど、ご自分の名前のついた桜を見つけられなかったそう。そこで、スタッフが一緒にお探ししました。事前にご連絡をいただいていたので、お申込みの時期と植樹報告書に記載されているGPS情報を頼りにエリアを絞り込み、あとは3人で一本づつ確認していきました。そして、彼女さんが無事発見!

その桜は山田町で2回目の植樹の時に植えられたものですが、藤原さんや地元の方々の管理のおかげさまで、とてもたくさんの花を咲かせすくすくと元気に育っていました!とても喜ばれて、たくさん写真を撮っていらっしゃいました。来年もまた、桜に会いに来る予定だそうです。

そこで、山田町の桜に会いにいらっしゃる皆様へ。

現在まで、多くの方々が桜に会いにいらしています。山田町の桜山はとても広く、支援された桜を見つける事が大変な場合があります。その時は、植樹された時期と当会発行の「植樹報告書」にある地図データと、写真の背景の景色をご参考にしてください。また、”グリーンハートやまだ”のハウスにお声がけ頂いた時に現場にいて時間のある時は一緒に探してくださる事もあるとの事。(タイミングで出来ない場合もあります事をご了承ください)是非、山田町の桜に会いにいらしてください。

山田町の桜山は、遊歩道が出来たり後ろの雑木林が桜になっていたり、年々風景が変わります。もし桜を見つけられた場合、数年後また桜を見つけるために、上記左の写真の様に大きな木や建造物など目印になるものを背景に入れた写真を撮っておくと、次回探される時の目印になるかと思います。

2016年船越家族旅行村さくらまつり

2016年4月17日(日)。今年も山田町船越旅行村で”さくらまつり”が開催されました。

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開始前に、熊本・大分を震源とする地震により亡くなられた方々に黙祷を捧げました。山田町の多くの方々は”東日本大震災時に助けてくれたご恩を返したい”というお気持ちでいらっしゃいます。情報を集めながら出来る事を検討しています。

さくら祭り当日の天気予報は曇りのち雨。「何とか雨にならないでほしい」誰もが祈るような思いでいましたが、開会式のオープニングアクト・子供たちのさくら踊りの間に雨が降り出してしまいました。そんな中でも頑張って踊る子供たちに元気をもらいました。

開会式。山田町桜山プロジェクト発起人藤原長一さんのご挨拶、山田町長佐藤信逸様のご挨拶に続き、今年の桜の支援者の皆様のご紹介。今年も昨年に引き続きご支援くださったのはDCMホールディングス株式会社様・DCMホーマック株式会社様プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン株式会社様、日本ロレアル株式会社キールズ様。そして今年新たにご支援をいただいたのは前日から現地入りし植樹準備からボランティア参加をして活躍してくださった日本ビジネスシステムズ株式会社様。代表の方々山田町町長佐藤様で植樹式を行いました。

桜の植樹

2016年の山田町の植樹にご参加くださったのは、地域の方々・支援者の皆様・全国各地からボランティアにいらしてくださった皆様約150名。2日間で約200名の方々に桜の植樹にご参加いただきました。

植樹がはじまる頃には、雨・風が強くなってしまいましたが、未来の桜山を想いながらそれぞれが一生懸命に植樹されていました。

今年の植樹場所は、船越家族キャンプ村から良く見える斜面を含む3か所。シンボルツリーとなる成木2本を含むと全部で92本の植樹になりました。苗木やたい肥・水等をもって急斜面を登り植樹を行いました。山田町の町長佐藤様も苗木を運ばれていました。

さくら並木ネットワークを通じて参加されたボランティアさんの中には、毎年参加されて3回目の方や初めて参加される方、遠方からいらっしゃった方、ご家族で参加された方等、現地の方々と交流を深めながら雨の中でも皆さん笑顔で元気に植樹されていました。

そして、被害の大きかった南相馬からご参加くださったのは、さくら並木ネットワークの活動当初から御縁の深い八尾さん。ありがとうございました!そして、雨にも負けず無事に植樹が終了。

山を下りて会場に戻ると、山田町の方々の”おふるまい”が待っていました!

”おふるまい”は、山田町の名物牡蠣。大きな蒸し器でどんどん蒸してさっと殻を開けてもらうと、磯の香り・程よい潮味の大きな牡蠣!雨・風で冷えた体に染み渡る出汁のきいた手打ちのかき揚げそばは地元の皆さんの手作り。どちらもとてもおいしく植樹に参加された方々に大好評。そして、デザートは…今年もキールズ様が、釜石市の和菓子屋さんが丁寧に作られた、おいしい特注の大福をご用意くださいました! 植樹が終わりおいしいものをいただきながら、再会を喜んだり、地元の方々といろんなお話をしたり、土砂降りの中でしたが貴重なひと時になりました。

御礼と山田町の今後の予定

今年3回目となる、岩手県山田町の桜山の植樹も多くの皆様のおかげさまで無事終了いたしました。地域の方々、ご支援いただいた皆様、関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。

今年もたくさんの嬉しい再会や新しい出会いがありました。

山田町の桜山に植樹されている苗木はほとんどが1年生の苗木で、これからは草刈や水やり等のメンテナンスが必要になってきます。この夏にもメンテナンスに伺う予定です。その際は当WEBサイトにてボランティアさんの募集を行います。山田町の優しいみなさんとふれあい、未来につながる山田町の桜山を守るため、多くの方々にご参加いただけましたら幸いです。

長文のご報告を最後までご覧いただきありがとうございました。