2017年4月16日(日)。岩手県山田町を出発して陸前高田に向かいました。お天気は曇り。

車での移動中に感じる事は、被害のあった地域ではほとんどが復興工事や新しい道路の工事中でその地域により進み方が違います。そして突如現れる巨大な防潮堤。

その地域に暮らす方々に寄り添った復興が進む事を願ってやみません。

陸前高田に到着。2箇所の桜をご紹介いたします。

岩手県陸前高田市・再生の里ヤルキタウン”花画廊”

震災の翌年2012年12月。
「憩える!集える!元気を発信する!みんなのコミュニティ広場」を創生している、”NPO法人(特定非営利活動法人)再生の里ヤルキタウン”が活動を開始されました。再生の里ヤルキタウン内に作られた”花画廊”には、様々な花々が植えられました。

翌年の春、震災から2年目の2013年3月24日。日本三大桜の子孫木3本を含む、ベニシダレ・エドヒガン・アーコレード等複数の品種の桜を合計13本植樹しました。

当会の植樹担当より「そのまま伺っても桜は見られるから大丈夫」と聞いていたので、少し寄らせていただきました。お声がけさせていただきましたがお留守の様でしたので「花画廊」の看板を見つけて奥へ(お留守中に失礼いたしました)。

桜たちはすくすくと育ち美しく咲いていました!
まだ、咲きはじめで蕾も多い状況でしたが、数本の桜が見事に!

エドヒガンザクラ。4年でこんなに大きくなるとは(通常もっと成長はゆっくりです)

ベニシダレザクラ。シダレ桜は大きくなるまでメンテナンスが少々大変ですが、見事なピンクで剪定され樹形も素敵です。

海からも臨める少し高台に植えられた桜たちの10年、20年後の姿を想い胸がいっぱいになりました。

美しい桜たちを。

再生の里ヤルキタウン2年前のメンテナンス報告記事も併せてご覧ください。
http://sakuranamiki.jpn.org/archives/5585.html

花画廊の桜に感動した後、すぐに近くの花っこ畑に向かいました。

岩手県陸前高田市・花っこ畑

4年前の2013年3月1日。岩手県陸前高田市・花っこ畑とその少し高台にある民宿さんに合計30本の桜を植樹しました。陸前高田の”花っこ畑”は、震災前、小学校の教員であった吉田さんが木々や花々を愛で育てながら暮らしていたご自宅&オープンガーデンで、地域の方々の憩いの場となっていました。このガーデンのすぐ上まで津波が襲い、ここにあった全てのものが流されてしまいました。

上の写真は今年のものですが、写真内の左上にある住宅のすぐ下まで津波が襲い、このガーデンは海に呑まれてしまったのです。しかし、吉田さんはこの地にガーデンを再生する事する事に。全国から集まったボランティアさん、仮設住宅に暮らすお仲間の皆さんや地域の方々の協力で素敵なガーデンが再生されました。

2013年陸前高田の桜の様子
http://sakuranamiki.jpn.org/archives/3438.html

花っこ畑は、陸前高田のメイン道路、国道45線沿いにあります。2年前、何もなくなってしまったこの地にコンビニエンスストアが建設されることになりました。その候補地になったのがガーデンの国道沿いの部分。吉田さんは「ここには生活する人たち、復興工事で働く人たちにコンビニが必要」と考え、ガーデンはそれまでの半分位の広さにして国道の反対側にする決心をされました。

花っこ畑の再生

それから「花っこ畑」の皆さんは、全国から支援された花々や植物を徐々に移植していきました。大変な作業だったと思います。もちろん何本かの桜も移植されました。

しかし「花っこ畑」の花や花木は、とても元気です!

心配だった枝垂れ桜も復活し、新しい蕾が夕日を浴びてきれいで植物の生命力に圧倒されました。

津波の甚大な被害があった地でのガーデンの再生は土づくりから始まりました。ガーデンの再生をはじめて6年。

国道沿いで陸前高田の中心地から近い事ということもあり、この地の周辺ではかさ上げ工事が進んでいます。海が近いため風も強く、かさ上げによる砂埃もきびしい所になってしまいましたが・・・

しかし、吉田さんたち高田の皆さんは、今日もお茶っ子をしたりあれやこれやの話をしながら、花々を愛で雑草をとり「この苗はそっち方がいいわねえ」などいつものようにガーデン作業をされているのではないかと思うのです。

そんなこのガーデンの桜に花たちに、そして何より皆さんにまた会いに行きます。