3月22日(日)。
寒すぎずとても良い天候に恵まれ、植樹日和になりました。
「十三浜桜プロジェクト」と称し計画を進めてきた、石巻市北上町十三浜菖蒲田地区(誓いの丘)の植樹祭が行われました。とても内容が濃い一日でした。
菖蒲田地区は目の前に美しい葦が群生している北上川と太平洋が見える約90世帯の静かな集落でした。
しかし2011年3月11日の東日本大震災より49名の方が津波の犠牲になり、高台以外は災害危険区域に指定され人が住めない地域になってしまいました。
石巻市北上町十三浜菖蒲田地区
住民さんのほとんどの方がご家族を亡くされているような地域です。
今回の植樹は高台に現地再建された数名の住民さんが中心となり、
- 桜を植樹し故郷を離れる方が戻ってきたときに楽しんでもらおう
- 亡くなられた家族の分も頑張って生きていこう
- そして将来的には桜の名所となり、未来永劫この地が忘れさられないようにしよう
などたくさんの願いと祈りを込めて計画されました。
場所は主に
- 菖蒲田地区の大槻良一様の私有地を多くのボランティアさんと開墾して作った「桜の丘」。
- 自らの住んでいる地区を「誓いの丘」と名付け、積極的に地域興しをしている千葉五郎様の私有地。
- そして津波で亡くなられた住民さん達も眠っている「共同墓地」です。
午前中は大槻様の「桜の丘」を植樹しました。
「桜の丘」
当日参加されたのは、住民さんと支援者オーガビッツプロジェクトとアトリエ・エビスの皆様。そして植樹祭の準備を協力してくれた石巻市社会福祉協議会の職員さんや全国から足を運んでくれたボランティアさんなど総勢約90名。
地主である大槻様とオーガビッツ溝口様からご挨拶をいただき作業開始。
参加者全員で十三浜の復興と発展を願いながら、心を込めて植樹していきました。
最後にメッセージボードに参加者の名前を書き記念撮影。
明るい青空の下。
子供たちの元気な声が溢れ賑やかで活気のある現場となりました。
お昼は誓いの丘にて、地元の方とボランティア団体笑顔届け隊が作ってくれた芋煮とつきたて餅。そしてオーガビッツ様のご厚意によりホタテ飯が振る舞われました。
誓いの丘はそれぞれの立場の枠を超え明るい交流の場となりました。
ここでできた友情をこれからもずっと保ち続けていきたいものですね。
そんな人間賛歌が流れているような素敵な午前でした。
「誓いの丘」
午後は千葉五郎様の「誓いの丘」の地蔵堂建立予定地にて、オーガビッツ様寄贈の石柱とメインツリー3本のお披露目式を行いました。目の前に北上川、左には太平洋、そして右手の北上川の対岸には多くの児童が津波の犠牲になった大川小学校が見える場所です。
この石柱には千葉五郎様が考案された住民さん達の亡くなられたご家族への誓いの言葉が刻まれています。
それは
母よ!妻よ!子よ!
津波で失われた命たちよ!
あなたの分も
わたしは生きるからね
というものです。
多くの悲劇に見舞われても強く生きていこうという住民さん達の決意が感じられたお披露目式となりました。
その後誓いの丘の津波到達点に5本の桜を。
そして津波で犠牲になられた住民さんも眠っている共同墓地に29本の桜を植樹しました。
共同墓地
この墓地は住民さんの心の故郷であり、昨年は花壇にチューリップの球根2500個を植えました。
きっと今年の5月上旬にはきれいに咲くと思います。
今回植樹した桜もいつか眠っている住民さんを優しく癒す花を咲かせてほしいですね。
ここにアトリエ・エビス様の石板を設置しました。
最後は黙祷ではなく、あえて植樹参加者全員で万歳をしました。
千葉様が考案した石柱の言葉を受けて…。
「あなたたちの分も生きるからね」と亡くなられたご家族に強く誓う住民さん達皆様のために…。
石巻市北上町十三浜菖蒲田地区はこんなところです。
いつかそんな菖蒲田地区と「誓いの丘」を訪れてみてください。
そこには未来に向かって一歩ずつ歩いていこうとする優しい住民さん達が待っていてくれるはずです。