2017年の植樹について

現在さくら並木ネットワークには東北地方沿岸部の各地から来春植樹依頼が来ております。

各地域の皆様の桜植樹に対するおもいは地域や人それぞれであります。さくら並木ネットワークが桜植樹活動を開始したのは東日本大震災の翌年春からですが、当時は被災地域の住民の皆様の心の傷は深く津波で犠牲になられた方の慰霊のお気持ちの強い植樹が多かったものですが、年月を経て被災地域の観光地化や高台(集団)移転地の町つくりやコミュニティつくりの一環としての植樹も多くなってきました。

しかし、鎮魂や復興に向けての植樹とかと便宜的には言ってはおりますが、いくら年月が経ってもこの東北の地で2011年3月11日の東日本大震災の大津波により多くの尊い命が失われたことは簡単に忘れられないものですし、復興に向けての植樹が多くなってきたといっても日本人が感情移入しやすい桜だからこそ植樹作業をする住民さんの心には津波で亡くなられたご家族や地域の皆様への気持ちが込められることもあると思います。それはコインの裏表のようなもので、被災された皆様の心の中では鎮魂や復興の植樹とかと簡単に言い切れないものがあるのかもしれません。

だからこそ当会は被災地域の皆様の心に寄り添い地域事情に沿った植樹を心がけております。先日宮城県山元町でとても大事な慰霊碑の植樹が決まりましたのでご紹介いたします。

宮城県山元町・社会福祉法人静和会

山元町は東日本大震災の大津波により犠牲になられた方が636人。浸水範囲面積が山元町の総面積64.48平方キロメートルのうち24平方キロメートルという大被害を受けてしまいました。

そんな山元町で昭和23年から結核患者を保護する施設として発足し、その後老人福祉施設や身体障害者更生施設など五施設を運営し山元町の福祉を大きく担ってきたのが社会福祉法人静和会。

静和会は東日本大震災の大津波により養護老人ホーム梅香園とケアハウス福寿の園が津波により全壊。法人内で入居者63名、職員25名という犠牲者が出てしまいました。

そこで静和会で亡くなられた皆様を追悼するために今年の秋から梅香園があった近くに慰霊碑建設を開始。来春2月に完成させ下旬にご遺族や静和会の皆様とともに追悼式をする予定になっております。さくら並木ネットワークは今春に静和会の特別養護老人ホームみやま荘に植樹させていただきましたが、この大事な慰霊碑にも植樹させていただくことになりました。

1000年に一度と言われる大津波によって突然ご家族を亡くされてしまったご遺族様の心の痛みは想像できないものがあります。

さくら並木ネットワークはこの大切な慰霊碑に植樹させていただく責任をしっかり受け止め、静和会施設で亡くなられた皆様が天国で安らかに過ごされるよう、そしてこの慰霊碑に手を合わせに来るご遺族の皆様が春に花咲く桜を見て少しでも心穏やかになっていただればと願いを込め、心を込めて植樹したいと思っております。

社会福祉法人静和会様。
当会にお声がけしていただきありがとうございました。

NPO法人さくら並木ネットワーク