12月5日。
さくら並木ネットワークは石巻市湊地区の熱田神社で栃木県の宇賀神さんの桜を設置してきました。

石巻市湊地区熱田神社 宇賀神さんのさくら

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宇賀神加代さんは東日本大震災直後から今年1月までボランティアとして石巻市湊地区にいた方で、津波で集会所がなくなった湊地区で「おちゃっこ湊」という湊地区住民さん達が集えるスペースを運営していた方です。

湊地区の住民さん達にも「かよちゃん」と呼ばれて親しまれていた方で、残念ながらご家庭の事情で惜しまれつつもおちゃっこ湊は昨年閉鎖して栃木の実家に帰られましたが、当会の熱田神社や湊中学校の桜植樹はご縁があった宇賀神さんが仲介してくれました。

さくら並木ネットワークは「お庭にある桜どうぞ」などというお話をよくいただきますが、お気持ちはありがたいですが当会ではそのようなお話は原則はお断りさせていただいております。

それはまず、いただく前の桜がどのような生育環境や管理がなされていたか当会ではわかりませんので、もし植樹して枯れたなどということがあった場合、その桜のせいなのか当会の植樹の仕方が悪いのか植樹地の環境のせいなのか原因追及が難しくなり、結果的に桜をいただいた方にも被災地域で桜が大きくなるのを楽しみにされている方達にもご無礼になる可能性があるからです。

また、そのようなお話をいただくとき桜の品種が樹齢が短いソメイヨシノの場合が多いのですが、当会では東日本大震災の津波の記憶を後世に伝えるための植樹という使命も持っているためなるべく樹齢の長い桜を植樹しておりますので、ソメイヨシノだとその使命が果たせなくなってしまうためでもあります。

しかし宇賀神さんは当会も大変お世話になりまた湊地区住民さん達にも大変親しまれていた方なので、例外的に宇賀神さんの栃木のご実家にあった桜を当会が引き受け、2015年4月4日に湊地区住民やガーデンシティクラブ大阪の皆様と植樹した熱田神社の桜が一本枯れてしまいましたので、そのスペースに宇賀神さんの桜を設置することにしました。

宇賀神さんの桜ならば湊地区住民さん達は喜んでくれることでしょう。

大きな桜だったので設置に時間がかかりましたが、この宇賀神さんと湊地区の友情の桜が何とか根付いてくれることを願っています。

東日本大震災は甚大な被害と犠牲者が出てしまった千年に一度の大災害でした。その傷痕は簡単に癒えるものではありません。しかし宇賀神さんのように全国には被災地域を温かく見守り応援する方達はたくさんいます。

さくら並木ネットワークはそのような方達のお気持ちを桜植樹を通して被災地域の皆様にお届けしたいと思っております。