当サイトでも募集を行っていた、2月16日~17日・震災を体験した仙台で考え、被災地の今を訪ねるバスツアー。
スタッフを含む27名で 仙台・石巻市へ行ってきました。
2月16日(土)朝10:00世田谷区の花市場を出発し、11:00に新宿から東北に向けて出発。途中、バスガイドさんの案内を伺ったり、PAで昼食等をとりながら、15:00過ぎ、雪の仙台市茂庭/旧伊達邸の伝統ある佇まいの鐘景閣様に到着しました。
雪の仙台市 鐘景閣
明治後期の和風建築そのままに、茂庭の地に復元された旧伊達邸建築。樹齢300年という保存樹木「鍾景の松」にはうっすらと雪が積もり、趣のある佇まい。
100年以上の歴史のある、この建築に使われた貴重な木材や間取り、震災時のお話などを伺いながら、早めに夕食を取りました。
『震災とさくらと私たちの未来』
18:00頃、仙台イベント『震災とさくらと私たちの未来』開催会場である、仙台メディアテークに到着。
『震災とさくらと私たちの未来』に参加いたしました。
(『震災とさくらと私たちの未来』のご報告は、こちらをご覧下さい。)
終了後は、バスでホテルに移動。皆それぞれ自由行動。仙台の牛タンなどを楽しまれた方も。
石巻市洞源院へ
震災時、約400名の方々の避難所となり、8月の解散式まで、避難してきた人々と生活を共にし支えあい、いくつもの困難を乗り越えて、現在でも多くの方々が集う曹洞宗洞源院。
7日(日)朝10:00前、洞源院に到着しました。石巻湾を一望できる高台にある寺院。渡波地区の被害の大きさをあらためて感じました。
参加者全員でお経を上げさせていただき、ご焼香させて頂きました。そのあと、ご住職から、震災時の様々なお話を伺いました。物資の無い中、400名もの人々の食べるもの、生活・健康管理に必要なものをどうしたか。それぞれ辛い想いを抱えた中で、支えあう気持ちが生まれるまで。・・・等々、貴重なお話を伺いました。
そのお話の数々に、胸をいため涙ぐみながら、これから起こるかもしれない自然災害に、気持ちの問題も含めどう対応するか、それぞれが考えるきっかけとなりました。下の写真は、お米や飲み水はあっても、食器が圧倒的に足りない中、皆さんが使っていたコップ。おいしいお菓子が入っていたその入れ物ひとつにも「災害時の柔軟性な知恵の大切さ」「現実にこのコップを作り、避難生活を送っていた人々・非常時のお寺の状況」そんな事が頭に浮かび、辛い想いと共に学びの多い時間でした。
桜の植樹場所・根岸会館へ
住職・奥様、お寺の皆様としばしそれぞれお話したり、お寺を見せて頂いたりしてから、11:00頃、お別れし、昨年の春、さくら並木ネットワークで植樹した桜の木を見に行きました。
場所は、石巻市根岸会館。ここに7本の桜を植樹しました。
植えたときは1メールくらいの小さな苗木。健康に育ち、1年で倍以上の大きさになり、すくすく育ち開花を待つつぼみもつけていました!
この時、小さなドラマがあったことを、帰りのバスの中で伺いました。
ご参加くださった、Wさんのお孫さんと「同じ名前」の石板がついた桜の木があったそうです。ご本人はお孫さんの名前で申し込みをしていないので、とても驚かれたそうです。早々息子さんにお電話を。
その桜の木は、息子さんがご自分の子供のために申し込んだ桜の木だったのです!
お申し込みされた息子さんより早く、お孫さんの桜の木と対面されたWさん。
その木は一緒に植えてある7本の桜の木の中でも、一番元気に見えたそうです。
素敵なお話を有難うございました!
お孫さんは必ず、この桜の木の意味を未来で伝えてくれる事でしょう。
7本の桜の木と別れ、東京へ向かいました。
バスの中から見えるその風景は・・・まだまだ復興が進まず厳しい状況のままの石巻市。保育園や幼稚園、小学校・中学校・高校も再開したのは各1校づつ。学校が無く親世代は子育てが出来ず、大切な地を離れ他所への移転を余儀なくされている現状。
そんな状況の石巻のために、洞源院のご住職は「保育園を建設する準備をしています」と、おっしゃっていました。
「私たちに出来ること。」
改めて考えたバスツアーになりました。
関係者の皆様、ご参加いただいた皆様。本当に有難うございました。
桜の木に託し、必ずこの震災と被害を未来に伝えられるよう支援活動を続けてまいります。
今後ともご支援・ご協力のほどどうぞよろしくお願いいたします。