2017年4月17日(月)お天気は曇り。宮城県本吉郡南三陸町に伺いました。初年度から植樹を続けている、美しい志津川湾と海の幸がおいしい南三陸町。南三陸にはたくさんの桜を植樹していますが、5か所の桜に会ってきました。
南三陸町 宗教法人西光寺
震災の翌年、2012年3月1日。南三陸町西光寺さんに、通常植樹している1年生の苗木よりも大きい3年生(高さ約2M~)のエドヒガンザクラを5本植樹しました。
そのうち一本は順調に育ちましたが、4本は心配な状況で植え替え等のケアをしながら見守っていました。さて植樹してから5年目の順調に育っていた1本の成長がめざましいのです。
高さは5メートル以上に成長し、たくさんの花を咲かせていました。この桜の寄贈者さんも感動。
江戸彼岸桜。風格のある優しいピンクのたくさんの花を咲かせつつ凛とした樹形の桜に育っています。西光寺さんではメインツリーにする事を検討中だとか。
西光寺のすぐ下でも復興工事の真っ最中。甚大な被害のあった地域。地域の皆さんの力になれる桜に育ってくれる事を願います。
清水浜の桜山
震災から3年目の2014年。津波の被害で倒壊してしまった気仙沼線清水浜駅よりすぐの小高い山を切り開き、数日に分けて約160本の桜を植樹しました。
2014年3月9日。桜の寄贈者である、男声合唱団メンネルコールけやき様と共に植樹した桜に会ってきました。
植樹して3年目のエドヒガン。順調に育ちたくさんの花をつけていました。
左の写真の時の小さな苗木が右の写真の様に可憐な花を咲かせていました。清水浜周辺でも復興工事が続いていて、清水浜のこの桜山も、地域の方々と共にこれから変化していくと思いますが、桜たちは地域の方々に守られていました。
山の方を見上げると、まだまだ小さな苗木ですが順調に育っていました。
植樹時のご報告記事・植樹のご報告3月9日東松島市野蒜・南三陸清水浜
http://sakuranamiki.jpn.org/archives/4262.html
南三陸 上の山八幡宮
南三陸町中心部のほど近いところにある、上の山八幡宮。大がかりな復興工事が進んでいます。この地も道路建設のため数本の桜が植樹した後、移植されました。
左が2012年桜を植樹した場所から南三陸町の防災庁舎を含む町を見た時の写真です。その光景にとてつもない悲しみと衝撃を受けました。右は、2017年4月の写真です。少し高台に位置する神社と同じ高さに嵩上げされ、道路も作られました。
移植された桜も元気に育っている様子。町を見守るように花が咲いていました。これからも、南三陸町の変化を見守りながら町の方々と共に成長していく桜です。
左の写真は嵩上げ工事の様子。防災庁舎の最上階部分までかさ上げされています。右の写真の左奥に見えるのが南三陸ホテル観洋さんです。現在の復興工事真っ只中の町を抜けて、今年3月11日に植樹をした桜に会いに行きました。
南三陸黒崎『海の見える命の森』
南三陸ホテル観洋さん企画の黒崎『海の見える命の森』では今年3月11日に植樹祭が行われました。(『海の見える命の森』の詳細は下記ページをご確認ください)この地には41本の桜が植樹されています。
南三陸黒崎『海の見える命の森』
http://sakuranamiki.jpn.org/archives/9907.html
国道45号線沿いの『海の見える命の森』の看板を見つけて車を停め、山を登っていきます。この山にはボランティアさん達の手で、ご高齢の方々でも登っていただけるように階段や遊歩道が作られている最中です。
道中にはかわいいカタクリの花や山菜、山の植物が満載で海と植物たちの自然の薫りに癒されます。
頂上近く、美しい志津川湾を臨めるそのスペースにはたくさんの小さな桜の苗木。今まで見てきた植樹してから5年後の桜の様に、大きく育った桜と美しい海のコントラストを想像しました。
波伝谷の桜
高台移転をしようとしたら有力地の多くは縄文遺跡か中世の館跡。我々現代の人間がいかに自然と語り合っていないのか、慢心していたのかを思い知らされた。今回の被災は我々人間のともに生きる海と大地への不遜がもたらした側面もある。この上さらに高い堤防を築いて自然にあらがって海辺に生きようとするのでは、一体我々は何を学んだのかという事になる。
しかるべき高台に移転し、海を見て花を植え、木を植えて海とともに生きる。
波伝谷。波を伝える谷。
高台に避難され一命をとりとめた方が目にした光景を
「本当に波を伝える谷だった」と、おっしゃっていた事が忘れられません。
戸倉神社がある波伝谷地区は80世帯が津波で全壊。集落そのものが失われました。波伝谷の皆さんの想いを受け、波伝谷地区には100本近くの桜を数年にわたり植樹してきました。
一番最初に植樹したのは、2012年4月7日。
この写真は、植樹した時の写真です。
その桜たちも、大きく元気に育っていました!
左が植樹時、右が現在の枝垂れ桜。この桜はNYに住む子供たちと保護者の方々のあたたかい支援で植樹されました。
波伝谷地区の皆さんも、とても桜を大切にされています。
地域それぞれの皆さんの想いを受け、きれいな花を咲かせる桜たち。
「復興工事の説明に来てくれてもちんぷんかんぷんで、最終的にどうなるのか出来てみなきゃわかんないの。心配よ。」
今までなかった新しい道路が出来、今まで行っていた場所への移動方法も変り、人の動きも目まぐるしく変化している南三陸。
桜はそっと、そんな皆さんと共に成長しています。