4月20日(土)。仙台市宮城野区蒲生・高砂神社で、この春最後の植樹を行いました。苗木はすでに芽吹き始めていたため、根巻き状態で泉ヶ岳の山の中に仮植してありました。

地域の方々、ボランティアセンターの吉武さん・花と緑の力で3.11プロジェクトみやぎ委員会鎌田さん・お世話になっている皆さん、大工を中心とした「侍」チームの方々、シンガー普天間かおりさん、当会スタッフ・・約30名での植樹。

SNNへの協力を頂いているロンドンの支援団体・Sakura Frontさん、さくら大使を務めていただいている普天間かおりさんの支援の桜を含む7本のさくら、榊・松等、数種類の樹木の苗木を植えました。

高砂神社の植樹

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10:00過ぎ、植樹開始。

周辺を見渡すと、雑草・建物基礎以外、樹木でさえ失われ何一つありません。神社北側約300~400m位置に鉄の瓦礫の山。然し、その隣には輸入木材の大型新倉庫が建設されてました。

写真の背後の地域は住宅街でした。海からほど近いこの地域は、まるで三陸の津波被災地のように家屋は土台ごとすっかり流され、2年経った今、全く閑静な住宅街とその中にあった神社の風景は、思い浮かべる事もできない状態でした。

参照:震災前の高砂神社と周辺

高砂神社

ただ、地域の人たちは違いました。かつてのその光景を忘れるべくもなかった。一方で地域が根こそぎ流された事で、そこに確かにあった300世帯は150人以上の犠牲者を出し、その後は仙台市内を中心にバラバラになっていったそうです。

高砂神社 sendai06

今回の植樹は

「かつてここは自分たちの町であったその事を残したい。そしてここに桜を植え、榊を植える事で、ここに住んでいた人が、危険区域となってもう住む事はできないけれど、少人数でもいいから集える地域の最後の砦としたい。」

そんな思いが込められ企画されました。

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神社と木々とは、ちょうど外付けのハードディスクのように世代を超えて記憶を留める役割を成しているのかもしれません。

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東松島市仙石線陸前小野駅の桜と贈り物

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14:00頃、桜の植樹を終え、SNNスタッフと普天間かおりさんマネージャーさん4人で東松島に向かいました。16:00前に東松島市図書館に到着。

この日(海外の子供たちからの贈り物)のニューヨーク補習授業校W校の子供たちからの贈り物をお届けしました。

東松島図書館は、震災後、ニューヨーク補習授業校ウエストチェスター校より絵本等の図書が贈られた図書館です。同じニューヨーク補習授業校の子供たちからのプレゼント。皆さんのプレゼントは図書館加藤孔敬副館長にお渡しいたしました。

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東松島の子供たちのための絵本の数々。そして少しでも笑顔ふえ、いつか起こるかもしれない津波を伝えてくれて大きな被害にならないように、と贈られた桜。ニューヨークの子供たちの気持ちは、絵本と桜の木になり東松島の子供たちと繋がっています。

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ニューヨーク補習授業校W校の子供たちが、一生懸命募金をして贈った桜は、図書館からほど近い、東松島市仙石線陸前小野駅周辺に植樹しました。機会があったら子供たちの桜に会いに行ってみてください。

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御礼とお願い

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高砂神社の植樹後薦めていただき、夕暮れ時に天然記念物に指定されている鹽竈(塩釜しおがま)神社の塩釜桜に会いに行きました。それは美しい桜でした。

今春も奥州沿岸各地で様々な思いを込めて様々な人達が桜を植えました。
その個々の物語は今後「奥桜紀」として纏めていきたいと思います。

今春もご寄付くださった方々、植樹に参加してくださった方々、去年植えた桜を訪れてくださった方々、この場を借りて厚く御礼申し上げます。

来年の植樹のお申込・調整も始まっています。これからもご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

【ネームプレート付の桜基金Bをご支援くださった皆様へ】

今年の植樹は完了いたしましたが一部をのぞき、ほとんどのネームプレート(石版)は現在製作中です。設置が完了次第、郵送にて設置場所をお知らせいたします。申し訳ございませんが今しばらくおまちください。