2月26日から始まった、2014年春の植樹も残すところあと数箇所となりました。日本全国の様々なところから、桜の開花の情報が日々伝えられる中、東北ではこれから見頃をむかえます。寒い地域での桜の開花。多くの方々がそれはそれは心待ちにしていらっしゃいます。

「桜並木プロジェクト」にご賛同・ご参加くださっている皆様のお蔭様で、来年の春は「今年植樹した桜の成長」という楽しみが東北の各地で増えています。

かわいい子供たちの様子と共に4月13日~14日の植樹のご報告をお届けします。

4月13日 亘理町吉田地区・仙台市若林区種次地区

4月13日。午前中は亘理町吉田地区。午後は仙台市若林区種次地区中野で植樹が行われました。

亘理町吉田地区は浜吉田公会堂と吉田北区長竹澤さんの敷地内に。浜吉田公会堂は現在区画整備中(公会堂は使われております)。整備が終了する来年度も数本植樹を予定していますが、一年でも早く成長した桜を見たいという竹澤区長のリクエストで整備に支障がない場所に一本だけ植樹。その後竹澤さんのご自宅の敷地内にも二本植樹しました。

吉田地区は1メートルの津波が来たそうです。竹澤区長は津波が来たときの様子を詳しく話してくれました。震災当時は区長として大変なご苦労があったでしょうね。三年たった今も地下水は塩分濃度が高く農作物を育てる上で支障になっているそうです。吉田地区の復興の日が早くきてほしいと思いました。

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午後は仙台市若林区種次地区中野の堀沿いで8本の植樹。昨年11月17日に16本を植樹しており、この8本を植樹すると中野の北側を覆う桜並木ができることになります。ここは二つの県道から見える場所でもあり、将来的にとても美しい桜並木になるでしょうね。

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実はこの8本。2月23日に予定していましたがなぜかいつも天候に恵まれず三回延期になり、仙台市の植樹地で一番最初にやる予定が一番最後になってしまいました。ですので昨日はやっと着手することができてほっとしています。桜並木が完成する残りの8本は住民さんの手で植樹してもらいました。延期が重なったにもかかわらず、皆さん笑顔で集まっていただき感謝しています。

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中野地区は海に近く亡くなられた方も多いところです。依頼者さんたちもご家族を亡くされた方もいます。
そしてさくら並木ネットワークに所属する前にボランティアセンターの職員をしていた私が力を入れていた地区の一つでもあり、元から顔見知りの方が多い地区でもあります。皆さん大変なおもいをしているのに優しくて心の温かい方が多いんですね。私はこの地区の皆さんに辛いときでも人に優しくなれるんだということを学ばせてもらいました。

この桜並木が中野地区の皆さんの癒しと将来の財産になってもらえればと思います。それが私の恩返しにもなり…。そして被災された方に想いを寄せる全国の皆様の気持ちでもあると信じています。

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4月14日 気仙沼市茗荷沢地区・保育園キッズルームおひさま

4月14日。気仙沼市茗荷沢地区の保育園キッズルームおひさまで26本の植樹を行いました。

キッズルームおひさまの前身は気仙沼市南郷地区の南気仙沼幼児園。震災以前は約150名の子供たちを預かっていました。震災直後は職員さん全員で力を合わせ近くの小学校に約150名の子供たちを引き連れて避難しましたが、残念ながら幼児園に戻った理事長先生は津波で亡くなってしまいました。

保育園舎は流されましたが、保護者さんたちの強い希望を受け残った3名の職員さんが茗荷沢地区の空き倉庫を借りて再開。そして2012年7月現在の場所に保育園舎が建設されました。そこに至るまで大変なご苦労があったようです。全国からの多くの温かい支援によって支えられている保育園でもあり、さくら並木ネットワークとしても未来の子供たちのためにということで今回の植樹が決まりました。

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当日はとてもいい天気。子供たちの元気な挨拶とともに植樹開始!
園内にあるしだれ桜に移植ベラで土をかけてもらいました。

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子供たちは本当に無邪気で可愛いですね!小さな手で一生懸命土をかけてくれました。
その後みんなで記念撮影をする前に、子供たちから私に可愛いプレゼントが。みんなありがとう(笑)!!

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その後おひさまの裏手にも20本植樹しました。植樹にボランティア参加していただいたのは、山形県の佐藤隆雄さん(今回のおひさまの植樹の紹介者でもあり、ボランティアとしておひさまにクリスマスプレゼントをあげたりしている方です)と吉川明紀さん。ご協力感謝いたします。お二人のおかげでおひさまの子供たちを後ろから温かく見守るような桜を植樹することができました。

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津波で保育園舎がなくなり大変なおもいをして茗荷沢地区で再出発をすることになったキッズルームおひさま。これから気仙沼のたくさんの子供たちを受け入れるためにこの地に根付いていかなければなりません。そう。今回植樹した桜のように…。

そして桜の下でいつでも明るい子供たちの声が響いているような保育園になってほしいと思います。

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