桜の季節。

東京の桜は後半ですが、お花見をされた方も多かったのではないでしょうか。

昨日は風が強く各地で桜吹雪となりました。

桜の植樹も後半になってきます。4月に入り、少しずつ岩手県での植樹も開始いたしました。

4月3日~6日までの植樹のご報告をさせていただきます。

4月3日 宮城県宮城郡七ヶ浜町代ヶ崎(よがさき)地区

4月3日。七ヶ浜町代ヶ崎地区で植樹が行われました。

午前中は谷地児童公園で植樹。この公園がある地区は震災前は80数世帯だったそうです。そのうち現地再建された方は60数世帯。
その他の方は津波でほぼ全壊。現地再建された方も一階部分まで浸水し大変なおもいをして改築したそうです。谷地児童公園はそんな地区の真ん中にあります。

2014_4_3_01 2014_4_3_02

4月3日は平日でしたが、それでも10名近くの地元の方が植樹に参加してくれました。多くは年配の方でしたが、この公園は児童公園。皆さん代ヶ崎地区の子供たちに未来をという気持ちもあったのかもしれませんね。とても熱心に、そしてチームワークよく植樹をしていました。代ヶ崎地区の皆さんは結束力がありますね!

2014_4_3_03

午後は同じ代ヶ崎地区の多聞山で植樹。多聞山は代ヶ崎地区の高台にあり、松島湾が美しく見える松島四大観の一つで七ヶ浜町屈指のビュースポット。そして被災した代ヶ崎地区や代ヶ崎火力発電所が見下ろせる場所でもあります。

2014_4_3_04 2014_4_3_05

桜はたくさんある場所なのですが、東日本大震災を機にあらたに植樹しようということでエドヒガン、大漁桜、紅しだれ、天の川と違う種類の桜を6本植樹しました。この場所は地区の方で管理する部分が多く、皆さん植樹は手馴れているようでした。最後は今までみんなで育ててきた桜と今回植えた桜の前で写真を撮りたいということで、二枚記念撮影をしました。

2014_4_3_06 2014_4_3_07

代ヶ崎地区の皆さんは大変なおもいをしていますが、とても前向きで明るい未来を信じているようでした。将来子供たちが集う谷地児童公園。年々桜を増やしている多聞山。今回の植樹はそんな皆さんの前向きな気持ちのあらわれなのかもしれませんね。

代ヶ崎地区の皆さんに温かい春が訪れることを願ってやみません。

4月5日 宮城県亘理郡亘理町逢隈高屋鳥屋崎地区

鳥屋崎地区では現地再建された方の敷地内への植樹も行われてますが(最終日は4月9日)、今回は地区への入り口にあたる道路沿いに18本。そして鳥屋崎の中心部にある塩竈神社に3本と公共性の高いところに植樹しました。

いわば鳥屋崎地区の植樹のメインイベントですね。鳥屋崎の住民さんや神奈川県川崎市からボランティアとして参加していただいた田中夫妻と一緒に植樹しました。

2014_4_5_01 2014_4_5_02

地区の入り口にあたるこの通り沿いは4月から行政管理から地区管理となり、ここに復興の桜並木を作りたいという鳥屋崎地区佐藤区長の希望により今回の植樹が実現しました。大きくなり満開になれば住民さんや鳥屋崎地区を訪れる人を楽しませることができる桜並木になるでしょうね。集まっていただいた方たちも熱心に植樹していました。この場所の桜はエンゲージメントプロジェクト様のご支援によるもので石柱を立てその前で記念撮影。佐藤区長もとても嬉しそうでした。

2014_4_5_03 2014_4_5_04

その後塩釜神社で植樹。塩釜神社は地区で大切にされている神社で祭りなども頻繁に行っているそうです。津波で壊滅的な被害を受け再建中ですが定期的に住民さんで清掃もしており、昨日も早朝に清掃を行ったそうで植樹をするときはとても境内がきれいになっていました。そこに鳥屋崎の住民さんたちのこの神社に対する深い愛情と伝統への誇りを感じることができました。

2014_4_5_05 2014_4_5_06

今回はあらたな復興の桜並木と伝統ある神社の再建と両極端な植樹となりましたが、同じく願うのはこれらの桜が鳥屋崎地区の皆さんの未来の笑顔につながってほしいということ。将来立派に育った桜並木の前を通って鳥屋崎の皆さんに会いに行きたいものです。

2014_4_5_07

4月6日 岩手県大槌町 仙台市若林区二木地区

4月6日は岩手県大槌町 仙台市若林区二木地区の2箇所で同時に植樹を行いました。

岩手県大槌町桜木町

岩手県大槌町桜木町には、昨年も植樹を行いました。
http://sakuranamiki.jpn.org/archives/3189.html

去年に引き続き津波避難道に桜を植樹しました。花道プロジェクトの皆さんと地元の皆さんとで、22本のしだれ桜と去年と今冬の雪害で被害にあった9本の山桜を植え替えしました。

22本の桜は今回の津波で桜木町で亡くなった方の数だそうです。
避難道が背後の城山まで開通するにはなお、数年はかかるようですが、
住民の命を守る道を桜で導こうというこの企画を今後も応援していきます。

2014_4_6_01

宮城県仙台市若林区二木地区

4月6日。仙台市若林区二木地区新原で植樹会が行われました。
場所は40数名の住民さんが地権者となっている土地。ここは震災前は松林になっていましたが、津波の影響で何もない空き地になってしまいました。

今回は多くのご縁があり、この場所をこれからの二木の復興のシンボルとして桜公園にしようというのが昨日の植樹の趣旨です。当日はたくさんの二木の住民さん。今回この植樹会の桜を寄贈していただけることになった日本碍子労働組合22名の皆様。そしてさくら並木ネットワークの桜大使の歌手普天間かおりさんと参加人数も多く、当日の晴天の空のように明るい植樹式となりました。

2014_4_6_07 2014_4_6_08

最初に皆さんでご挨拶をし植樹開始。住民さん、ボランティアさん、普天間さんとみんなでスコップ片手に21本の桜を植樹していきました。空き地には取りまとめ役の堀江さん、この空地のすぐ前に住んでいらっしゃる大友夫妻の発案で、開花時期が違うジンダイアケボノと八重桜を交互に半分ずつ。この空き地は二つの県道から見える場所にあり、大きくなればさぞ美しい公園になるでしょうね。未来の二木地区の春が楽しみです。

2014_4_6_05 2014_4_6_09

最後に石柱をみんなで立てました。日本碍子労働組合様のご厚意により、裏書の文言は取りまとめ役の堀江さんが考えたものが刻まれることになりました。堀江さんが考えた文言は、

「二木地区の復興を願って植樹」

というシンプルだけど力強い言葉。

2014_4_6_13 2014_4_6_14

堀江さんいわく、地区は傷ついたけれどいつまでも後ろを振り向くのではなく前向きな姿勢を持ちたい。自分たちの世代が死んだ後もそういう言葉や桜を後の世代に残していきたい。という意味の言葉だそうです。昨日の植樹会はまさにこの言葉にぴったりの住民さん達の気持ちが入った植樹会になったと思います。

お昼は日本碍子労働組合様から今後も住民さんたちと交流を持ち続けたいと、みんなで若林区上飯田の出雲鮮魚店でご馳走になりました。普天間さんのサイン会の様相を呈したり話も弾んだりと、とても楽しい昼食会となりました。日本碍子労働組合様のご厚意に心から感謝いたします。ありがとうございました。

2014_4_6_02 2014_4_6_11

皆さんで二木地区の復興を願い心を込めて植樹した桜たち。
いつか大きくなったこの桜たちの下でみんなで再会できる日を来ることを願わずにはいられません。
そこにはたくさんの笑顔という花も咲いていることでしょうね。

2014_4_6_10 2014_4_6_12